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インタビュー

会員企業様へのインタビュー記事・ユースケース

【伊藤忠テクノソリューションズ】CTCのプロセスマイニングの歴史と今後のビジョン

 

今回は、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社の加悦良康氏に、プロセスマイニングとCTCの歩みの歴史、プロセスマイニングの持つパワー、またそれを生かした今後のビジョンなどをお話しいただきました。

 

-初めに、CTCでプロセスマイニングを扱うに至った経緯をお教えいただけますか?

2018年10月よりCTC Americaというアメリカの支社経由で、複数のプロセスマイニングに関する情報を集め始めました。その結果、当時のCelonisが導入実績やクラウドへの移行、またセキュリティ対策等で優れていると判断していました。その後、2019年2月にCelonis社が日本法人を設立し、インテグレーション契約やパートナー契約を締結する流れになり、2019年5月からCTCも活動を開始し、今年で始めてから3年目の年度になります。

もともと我々Celonis推進チームはRPAを提供している部署に所属し、協会の会員企業でもあるUiPath社のリセラーとして活動していました。ただし、RPAの導入PJを進めると、個別作業の最適化・自動化の繰り返しになりがちでした。RPA導入においては、全体業務の最適化目的にエンドtoエンドで、プロセス全体を俯瞰し展開することはなかなか困難です。企業全体で「何時間削減」ということを掲げる中で、ASIS・TOBEを計測するツールがないという問題意識がありました。そこから、様々なツールを見ていく中で、プロセスマイニングに出会いました。RPAの導入のみならず、DX推進に見られるように、現状可視化のニーズが多くの企業であることに気づき、取り扱いをはじめました。

 

―プロセスマイニングの普及の推移はどのようにお考えでしょうか?

実は、3年前とそんなに変わっていないと考えています。

キャズム理論でいえば、日本では、プロダクトが成長する曲線のまだまだスタートラインにあるでしょう。ただ、プロセスマイニングという言葉自体はいくつかのお客さまに認知していただける状況になり始めています。2019・2020年頃は国内事例が少なく、海外事例をベースに営業することが多かったです。しかし、今ではいくつかのお客さまが導入し始め、Celonisのワールドツアーなどでも、国内事例に基づいた事例の発表ができるようになってきました。よりイメージしやすく導入できる状況にはなってきていると考えます。

ただし、普及期に入っているかといえば、まだまだ乗り越えなければならない壁がいくつかあると認識しています。

 

―既にプロセスマイニングをご存知のお客さまも多くいらっしゃいますか?

「プロセスマイニングをどういうところに使うの?」と聞かれることが多いです。

私は、プロセスマイングに対して過大な期待を持たれることがないように、「正しい伝え方」をすることが必要であると思っています。説明の仕方次第では、自動的に可視化した後の改善まで行うAIツールだと勘違いして捉えられてしまうこともあるでしょう。後数年たつとそのレベルまで行く可能性は秘めていると思いますが、現時点ではまだです。そのため、営業の際には、お客さまの業務の中でどういう位置づけなのかというところを明確にし、「その先はお客さまが行うところです」と分けてお話しするようにしています。全てが網羅されていると思われると、過度な期待につながります。従って、訴求ポイントは、短縮と深堀ができることとしています。ここさえ踏み外さなければ、過度な期待のまますれ違うことがないと思っています。

 

―プロセスマイニングの威力はどういった場面で感じられますか?

業務担当の方々の間で、可視化された業務プロセスを見ながら「何故時間がかかっているのか」といった内容で勝手にディスカッションが始まることがあります。可視化によって、お客さまの間で自然とディスカッションが発生するというのを過去に色々見てきました。これはわかりやすい威力かなと感じています。これを深めていくことで、どういった改善を行う必要があるか、システム化する必要があるかという議論に発展します。その入口になるような会話を始めてもらう事ができるのがプロセスマイニングの身近な威力なのです。

 

―Celonisのパートナーの中で、CTCならではの特徴をお教えください。

1. 国内最多のプロジェクト実績

私たちは2019年から本当に多くのお客さまとプロセスマイニング分野でお取引させていただいております。。SAPやスクラッチシステム、クラウドサービス連携などにあまり拘らずにチャレンジしてきました。

 

2. SIerという立場

我々はSIerとして、プロセスマイニングの業界に参画させていただいています。お客さまのご支援をコンサルティングサービスという形だけではなく、お客さまと一緒に成長・支援していくことができます。お客さまのプロセスマイニングチームの立ち上げから内製化へのスキルアップを支援していけるのです。日々進化するCelonisのサービスにSIerとしてキャッチアップしていきながら、他のソリューションと組み合わせて、総合的にお客さんが実現したい内容を支援することができるのも強みですね。

 

3. 特定業務向けのCTCオリジナル分析テンプレートの提供

カスタマーサービス領域やWEBの行動分析で、あるテーマに沿って、お客さまからデータを頂ければ、すぐに分析ができます。それぞれの業務で見たい観点が見られるように、日本語のダッシュボードを作っています。

 

―今後、加悦様がこの領域で進めていきたいことは何でしょうか?

まだまだスタート時期にあるプロセスマイニングを、いち早く普及期に持っていきたいと考えています。

そのためには、プロセスマイニング協会を通じた、様々な情報発信をしていくことや、プロセスマイニングに携わっている我々のような会社がお客さまにプロセスマイニングを正しく伝え、少しでも多くの成功事例を重ねていくことが大事になると考えています。

その上で、CTCとしては、お客さまの中でCelonisのプロセスマイニングが内製化され、定着するための支援をしていきたいです。日本でプロセスマイニングが普通に使われ、業務改善ができ、その先のプロセススキームの自動化までをサポートしていくことが当面のゴールであると考えています。

 

―今年度中には、プロセスマイニング協会よりプロセスマイニング検定をリリースする予定ですが、プロセスマイニングの資格を取得する意義についてはいかがお考えでしょうか?

プロセスマイニングを理解することは、実際に業務をやっていなくても、プロセスについて議論することができるようになるという点で非常に意味のあることだと思っています。プロセスマイニングを勉強して、見方がわかると、業務全体の把握に繋がります。IT業界に限らず、一般のビジネスマンの知識としても、それがあって話すのと、なくて話すのでは、大きな違いになってくると思います。プロセスマイニングに直接関わる人以外にも、色々な人がプロセスマイニングを勉強して、自社に持ち帰り、自分たちの業務をプロセスマイニングで分析するようになることを期待しています。

 

―最後に、少子高齢社会が進む日本において、プロセスマイニングやRPAなどの技術・考え方を活用することで加悦様が思い描く将来像をお教えください。

プロセスマイニングは、プロセスの改善や効率化のための道具に捉えられがちです。

しかし、実際には、正しく・効率よく仕事をしている人が特定できるツールになるのではないかと考えています。要は、「企業のためにこういう動きをして、お客さまに利益を提供しました」というような、きちんと価値を生み出している人を正当に評価しやすくなるツールでもあるのです。それは、これから働く人達の求めるものでもあると思いますし、経営する側としてもそういうところを評価しなければ人が集まらなくなります。

「人が対等に話せるようにする」及び「経営者にもボトムアップで提示しやすくなる」という点で、プロセスマイニングが発展していくと、日本は非常に健全な成長を遂げることができるのではないでしょうか。

 

-貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。